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交通事故情報

弁護士が入ると、なぜ賠償額が上がるのか?

2013.11.17

 これは、保険会社が、どのように被害者の方への賠償提示額を決めるのかということと関わっています。
 一般に、事故の賠償問題には、3つの基準があると言われています。
 一つは、自賠責基準、これは、最低限の賠償額を強制加入の自賠責保険で支払う際の基準です。相手方保険会社が、一括対応であなたに賠償保険金を支払ったときには、相手方保険会社は、あなたの自賠責保険会社から、この自賠責保険を受け取ることになります。分かりやすく言えば、保険会社があなたに支払う保険金は、すべてその保険会社が負担するのではなく、この自賠基準額を超えて支払う部分のみが、相手方保険会社の自腹となるわけです。
 二つめの基準は、裁判基準といわれるものです。交通事故という毎日全国で多数発生している事象に対し、適正公平な解決を図れるよう、「赤い本」などの賠償額算定基準が毎年作成されており、裁判では、裁判所も弁護士も、その基準を指針として訴訟活動を行っています。ですので、逆に言えば、この裁判基準により、裁判をすると、どの程度の賠償が獲得できるのかを事前に想定することができるわけです。
 三つめの基準は、任意保険基準と言われるものですが、これは正確には基準とは言えないと思うのですが、相手方保険会社があなたに賠償額の提示をする際の自社内部の基準です。保険会社も営利企業ですので、利益を上げなければなりません。収入というのが契約者からの保険料だとすれば、支出は事故被害者に支払う賠償保険金です。契約件数を増やすのも利益につながれば、支払賠償保険金の額を可能な限り抑えることも利益につながるのは言うまでもありません。
 保険会社は、このような観点から、まずは、「当社任意基準で最大限のご提示です」と言いながら、かなり低めの額を提示してきます。
 しかし、弁護士が入った場合、保険会社は、交渉がまとまらず裁判になった場合の損得を考えます。つまり、「裁判になるとこのくらいの賠償額となり自社の負担が増加するであろうから、裁判前に、提示をこのくらいまで上げても、その方が得だろう」ということで、賠償提示額が一定程度上がることになるわけです。
 このように、保険会社のいう任意保険基準なるものは固定的なものではなく、弁護士が入ることによって、保険会社から一定の増額を獲得できることになるのです。
 示談交渉も、やはり「交渉」です。保険会社の担当者さんがいかに親切で良い方であったとしても、あなたと相手方保険会社との立場の違いは、決して変わるものではありません。交通事故の示談交渉は、弁護士に相談・依頼することをお勧めします。

 当事務所では、交通事故賠償の示談交渉に積極的に取り組んでいます。是非お気軽にご相談ください。
 
 
 

投稿者:なかざわ法律事務所

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